片麻痺の方用のおむつってあるのかな
片麻痺の方と一言で言っても、
老若男女、軽度から重度、自立と介助…
色んなパターンがあると思いますが、ここでは5つ、提案をさせて頂きます。
1.片麻痺の方の排泄ケア 提案5パターン
私は今、高齢者施設でケアマネジャーをしているのですが、以前は介護職員でしたし、介護職として日中働きながら、理学療法士の夜間部の学生をしていた時期もありました(卒業済)。
学生時代、臨床実習に行った時に片麻痺の男性患者さんにお勧めした紙パンツがこちらです↓
結局お勧めできない情報を流す使えない学生でしたな~
この商品情報は少し偏ってるし、下でもう少し詳しく紹介してこー
①商品:ユニ・チャーム ライフリー さわやか吸水下着 スリムウェア男性用
言わずと知れた、男性用の紙パンツです。
ユニ・チャームは特許技術「前あき機能」付きと宣伝しています。
引用 ユニ・チャーム ライフリーさわやか吸水下着スリムウェア男性用
10数年前に排泄ケアの研修で出会った男性参加者が、
「試しに穿いてみたけど、ペニスを出す部分が横に前開きがあるので出しにくい(一般的にトランクスやブリーフは前開きが縦に付いている)。吸収体の位置的に前開きも上の方に付いていて、そこからペニスを出すと象の鼻みたいな感じになる。」と使い勝手を教えて下さいました。
でもそれは10数年前の話。その後メーカー側も改良を重ねて、この開き部分は
よく伸びる素材になり、出しやすくなっているそうですよ。
片麻痺の方と言ってもこれは男性に限りますが、こういう商品がある事も知っておいて下さい。
②商品:一分丈の紙パンツ
鼠径部モレを防ぎたいなら一分丈の紙パンツがおすすめです。
麻痺によって足が痩せて、足回りのサイズに左右差が出来ても、一般の紙パンツに比べれば(お尻から太ももまでを覆っているので)一分丈の紙パンツの方が、鼠径部モレは起きにくいのです。
一分丈の紙パンツは
1・光洋オンリーワンパンツ
2・カミ商事いちばんボクサータイプ
3・大王製紙アテントすき間モレ安心うす型パンツ
と、3つのメーカーから出ています。
これらは伸縮性もあって体にぴったりフィットするので、中に尿取りパッドを装着した場合もズレを防ぐ事が出来ます。
1・光洋オンリーワンパンツ
引用 光洋オンリーワンパンツ
光洋の一分丈パンツの特徴は、紙と布を半々織り交ぜて作ってあり、柔らかくて通気性が良いところと、前後フリーな為に前と後ろがわからなくなりがちな視覚障害者や認知症者にも優しい所です。
2・カミ商事いちばんボクサータイプ
3・大王製紙アテント スーパーフィットパンツ
③商品:紙パンツ用尿取りパッド
尿取りパッドを使用する場合、
・裏にテープが付いていない
・1か所だけシールが付いている
などのパッドの場合に、下着(布でも紙パンツでも)を持ち上げる際に、尿取りパッドがずれてしまう事が起きます。
片麻痺の方の場合、片手で支えながらもう片方の手で下着を引き上げる、という事が出来ないので、非常に困難を極めます。
片麻痺者でなくとも、下肢筋力が弱っている高齢者や障害者の方には、
・足でしっかり立ってバランスをとる
・上手にパッドと下着を上げる
と2つを同時に行う事は、意外に難しいのです。
そういう方に向いているのが、前後にテープが付いている、2つ折りのパッドです。
●ユニ・チャーム ライフリー かんたん装着パッド レギュラー
-
●前後のワンタッチテープがリハビリパンツ™にぴったりついて、装着がかんたん。上げ下げしてもズレません。
-
● 前後対称の二つ折り形状なので、パンツに差し込むだけで、正しい位置に簡単につけられます。
引用 ユニ・チャーム ライフリー かんたん装着パッド レギュラー
この
①2つ折りで、
②広げた瞬間にギャザーが立ち上がって、
③前後にテープが付いていて、
というパッドの登場は画期的だったなぁと思います。
裏のテープもシールじゃないので何度も付け直しが出来るし。
わざわざ指で広げなくても、自然にギャザーが立ち上がる構造も素晴らしい。
両手が使えなくても、片麻痺の方でも使えるねー
難しい技術や知識もいらなくて、これなら簡単に使えそうだね
今ではほとんどのメーカーから同様の尿取りパッドが出ています。
名称は「紙パンツ用」パッドとして売られています。
上で紹介したユニ・チャームの商品は一番店頭で見かけますし、尿の吸収量もパターンが多いので(2回~5回分)便利です。
※施設用では「簡単装着パッド」、一般用では「ズレずに安心紙パンツ用尿とりパッド」という商品名で売られています。
④工夫:紙パンツを穿く前にウエスト部分を短くする
これはご自身でトイレに行かれる方に有効です。
紙パンツを下ろす事は出来るけど、その後持ち上げるのが非常に大変、という話をよく聞きます。
片麻痺の方に限らず、パーキンソン病などで手指が上手く使えない方や、高齢で関節が痛かったり硬くなっていて柔軟に体を動かせない方にもよくある話です。
紙パンツは「穿くだけで良いから簡単」と思っている方もおられると思いますが、実はそうでもないのです。
しっかりとウエストまで上げたつもりでも、足の付け根がガバガバだと、隙間から尿がモレてしまいます。
人の手を借りずに1人で紙パンツの上げ下ろしが出来ても、きちんと穿く事が出来ていないと、衣類までモレてしまいます。
漫画:紙パンツを足の付け根までしっかり穿く方法
紙パンツの穿き方を漫画にしてみました↓
最後の⑥に、鼠径部に手を沿わせる…と書きましたが、鼠径部部分を上に軽く引っ張って沿わせる事も有効です。このひと手間で隙間を無くす事が出来ます。
よく、ピッタリサイズの紙パンツだと上げにくいから、じゃあ1サイズ大きめの、ゆったり目の紙パンツにしよう、という方もおられますが、それをすると鼠径部モレ、もしくは(中に尿取りパッドを装着している場合)尿取りパッドが中で動いてズレてしまい、モレの原因となります。
元からそんなに失禁をしない方なら良いのですが、失禁の心配がある方なら、大きめの紙パンツは止めた方が無難です。
⑤工夫:尿取りパッドの当て方
これは介護者目線での工夫です。
介護をしていると、尿取りパッドのギャザーをしっかり立てているのにも関わらず、尿が衣類に漏れていて「え…?何で…?」と不思議に思う事があります。
漫画:片麻痺の方の尿取りパッドの当て方
片麻痺の方の場合、健側と患側で、足回りのサイズが変わる事が原因と思っていましたが、そうではない事がわかったので、漫画にしてみました↓
私の職場にも、左片麻痺の方が、「右からモレてる気がする」と話されていました。
左麻痺なのに何で右からなんだろう…?と不思議でしたが、コンシェルジュの話でやっと意味が分かりました。
片麻痺の方は
①足回りのサイズに左右差が出る(患側が萎縮して小さくなる)
②臀部(お尻)のサイズにも左右差が出る
③健側にお尻の割れ目が曲がる
ですので、
「身体の中心に合わせて尿取りパッドを当てる」のではなくて、
「お尻の割れ目に合わせて、尿取りパッドの中心線を合わせる」のが正解なのです。
2.結論
冒頭でも言っていますが、片麻痺の方と一言で言っても、色々なタイプの方がいます。
でも色々な排泄ケア用品(ここでは男性用紙パンツ・一分丈紙パンツ・紙パンツ用パッド)があるという事を知っておいて損はありません。
また片麻痺の方特有のモレ方(健側からモレる)がある事と、パッドの当て方に工夫がいる事も知っておいた方が良いでしょう。
今回は以上です(/・ω・)/
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