拘縮のある人のおむつ交換めっちゃ大変や…無理矢理広げたら折れてしまいそうだし…すぐに隙間が出来てしまうし…
拘縮のある足の、狭いすき間から慎重におむつを当てていても、少し力を入れただけで骨折をさせてしまうかもしれないし、内出血を作ってしまうかもしれない、デリケートでとても怖い、非常に困難な作業ですよね。
ネットで「拘縮 おむつ 当て方」で検索すればいくつか動画が見つかると思いますが、ここでは当て方ではなく、「おむつ選び」の話をしていきたいと思います。
伸縮性のある物を選ぶ
足に力が入らないようにと慎重におむつを当てていると、
今度はしわを伸ばす事がおろそかになり、
しわがあると隙間が出来て、
その隙間から尿がモレてしまいます。
出来るだけしわは伸ばしたいのですが、紙の製品は、布に比べると伸びに弱いのです。
伸縮性のある紙製品
紙の製品は布に比べると伸びに弱いと書きましたが、それでも、布に劣らずよく伸びる紙製品というのはあるものです。
ここではそういう商品を「テープ式」と「紙パンツ」に分けて、ご紹介したいと思います。
テープ式
紙の製品は伸びに弱いと書きましたが、「よく伸びる」と謳った商品も売られています。
しかし大抵伸びるのは「テープ部分」のみの場合も多く、
よく読むと「テープ同士はくっつきません」と注意書きもあるので、注意が必要です。
「のびる」と商品名にあるテープ式おむつを集めてみました↓
●ユニ・チャーム ライフリー のびーるフィット
・特許技術「どこでもとまるピタッとシート」で、おなか部分の調整がきくから、どんな体型でも当てやすく、スキマモレ安心。
*テープどうしを重ねると留めることはできません。
テープ同士がくっつかないのはちょっと不便かなと思います。
拘縮のある、いびつな立体を紙で包むとどうしてもしわが出来て、上テープで伸ばしたくても伸ばした先に既に下テープが貼られていたらその上にテープを重ねられない。
そうなると結局しわはしわのまま、隙間ができてしまってモレてしまいますね。
●ユニフリー のびるぴたりテープ式
後ろの伸縮テープが体のラインにしっかりフィット。
後ろの伸縮テープが伸びるそうです。
ユニフリーって聞いた事ない会社ですが、リブドゥコーポレーションのOEM※を扱っているそうです。リブドゥの商品であればテープ同士は重ねられると思われますが、残念ながらこの商品を店頭では見た事がないので、詳細は不明なままです。
※OEMは、他社ブランドの製品を製造すること、またはその企業である。日本語では「相手先ブランド名製造」、「納入先商標による受託製造」などと訳される。
紙パンツ
拘縮のある方は大抵寝たきりですし、寝たきりの方にはテープ式おむつで対応するのが一般的です。
しかし場合によっては、伸縮性のある紙パンツで対応した方が、隙間が無く、モレを防げる事もあります。
●日本製紙クレシア ポイズ
引用 日本製紙クレシア ポイズ 肌着ごこちパンツ ※女性用と男性用とあります
初めて触っときはその素材の布感にびっくりしましたし、これ洗濯しても大丈夫なんじゃないの?!と思ったほどでした。とにかく布のように伸びるのです。
●漫画:リハパン新時代
これは2015年4月19日バリアフリー展の絵日記なのですが、前年にもこんな絵日記を描いていました↓
2014年4月19日の絵日記
日本製紙クレシアさんは、大人用紙おむつのブランドとして「アクティ」、軽失禁用ブランドとして「ポイズ」を出しているのです。
光洋 オンリーワンパンツ
全面伸縮による伸びの良さで、とてもはきやすく、シルクのような柔らか素材で快適なはき心地です。
引用 光洋 オンリーワンパンツ
紙と布を半々織り交ぜて作られているので、肌に自然になじみ、ふわふわした肌ごこちです。
紙パンツというと腰の部分とまたぐりの部分にゴムが多くあるのが一般的ですが、これは全面が伸縮するので、中の尿取りパッドが体にしっかりフィットしてズレにくいです。
またこちらの商品は「一分丈」という特徴もあり、太ももまでをカバーしているので、横モレもしにくく出来ています。
伸縮性のある布製品
布であれば全て良いわけではなく、布製品の中でもどういった物を選べば良いのか、
ここでは「テープ式」と「ホルダーパンツ」に分けて、ご紹介していきます。
テープ式
布で出来たテープ式のおむつなんて、ほとんどの人は知らないかもしれません。
紙のテープ式と違い、本体に吸収体は付いておらず、単体では使えません。
●ニシキ ソフィットガード内ベルトタイプ
気になって私も買いましたですよ↑
紙のテープ式おむつと違うところで私が一番惹かれた個所は、一分丈ってところです。
テープ式で一分丈ってそういえば見た事ないかもなぁ…
よくあるおむつカバーと違い内側に防水加工はしていないので、これ1枚では使えません。
尿取りパッドをしっかり固定するための下着です。
この商品は一分丈なので鼠径部でしっかりパッドをおさえてくれるので、横漏れもしにくいです。
●おむつカバー(色々なメーカーから出ている)
おむつと言えば昔はさらしの布でしたが、その布おむつを外側からカバーするのがおむつカバーでした。最近でも中に紙の尿取りパッドを入れて使用している方はおられるようです。
内側に防水加工がしてあります。中に布おむつか紙の尿取りパッドを入れて使用します。
しかし防水加工がある分、蒸れやすいかもしれませんね。
ホルダーパンツ
普通のパンツではなく、尿取りパッドを固定する、専用のパンツです。
●ホルダーパンツ(色々なメーカーから出ている)
ホルダーパンツとは伸縮性のある、フィット感のある一分丈のパンツの事です。例えばこういう感じのものです↓
伸縮性のあるパンツを穿く事で、中の尿取りパッドがずれにくく、モレにくくさせます。
各おむつメーカーからホルダーパンツは売られていますが、実は市販の「一分丈のパンツ」でも十分です。おむつメーカーで買うと高いですからね。
こちらの記事にも載せています。良かったらご参照下さい↓
●市販の一分丈のパンツ(色々なメーカーから出ている)
商業施設で780円(税抜)で購入しました。
両面吸収パッドを使用する
あまりにも拘縮がきつくて、体位交換や少しギャッジを上げただけでも足が開いて尿取りパッドと尿道口に隙間が出来てしまうようなら、
直接尿道口に両面吸収パッドをじゃばらに当ててしまうという手があります。
両面吸収パッドとは、バックシートのない、吸収体だけの物です。
バックシートが付いていないのでそれ単体では使えず、尿取りパッドの上などに重ねて使用します。
パッドというくくりではなく、「補助シート」として各おむつメーカーから売り出されています。
例えばこちらのサイト↓
基本的にこれは最終手段です。
尿取りパッドは基本的に1枚で使うものなのに、じゃばらにしてもう1枚使用する事は「重ね使い」と同じ事です。
重ね使いの何がいけないかというと、
①ずれる→皮膚を傷つける
②蒸れる→皮膚を傷つける
③厚みの分皮膚を圧迫する→皮膚を傷つける
④お金がかかる
です。しかし拘縮によりどうしても隙間を防げない場合や、毎回衣類や寝具までモレるようなら、じゃばら使いをする事でモレを防ぐ事をお勧めします。介護者が疲弊していては介護は続かないからです。それはご本人にとっても不幸です。
3.結論
拘縮の方のおむつ選びには、紙製品も布製品も、テープ式もパンツタイプもあります。
また尿取りパッドにもう1枚補助的に使うシートを利用する事も、最終手段として提案できます。
おむつ以外にも、交換時は周りにクッションなどを置いてご本人が左右に揺れないように工夫する事も大事ですね。
1人介助で難しい事は、その時間だけ誰か助けを呼ぶという事も必要です。
人がいない!そんなの無理に決まってる!と言われてしまえばそれまでですが、それを言って思考を止めてしまうより、何か手を打てないか、多職種皆で集まって知恵を絞る事も大事です。
そして拘縮をこれ以上悪化させない工夫も考えていきましょう。
今回は以上です(/・ω・)/
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