【介護】食事介助の作法・座位姿勢について

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食事の介助って疲れる…

なんでー?口元にご飯運ぶだけじゃないのー?

そんな単純な作業じゃないのよ…

食事介助は技術のいる仕事の一つです。

一つ間違えると窒息させてしまいかねず、リスクの高い仕事です。

生半可な知識や技術では出来ません。

今回は、私が特養や老健で介護士をしている中で学んだ、「食事介助の際の注意点」や「座位姿勢」について、ご紹介していきたいと思います。

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1.食事介助の作法

作法なんて大げさな、と思われるかもしれませんが、仕事をしていると、他の職員の介助の仕方を見ている中で、学ぶ事がたくさんありました。

イラスト・食事介助をする中で私が学んできたこと

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①いきなり混ぜない(利用者さんはペットではありません。)

いきなり混ぜて食べさせようとする職員さんが、いたんですよ以前の私の職場に。

見た途端にうわぁって思いましたねー酷いですねー怖いですねー(急に稲川淳二調)

 

食事介助を受ける利用者さんは、自分で食べられない人です。だから介助を受けている。そして大抵は食事もミキサーだったりして、原型をとどめていない場合も多い。

その原型をとどめていない物と、原型をとどめていない物を、混ぜると何が起こるか?

→得体のしれない色味と臭いと味の食べ物になるんですね。

そんな残飯のようなゴミのような物を食べさせるのは、虐待に近い、いや虐待と言い切っても良いくらいです。

②途中で食事介助を交代する事もある

これは私が最初に勤めた特養で経験しました。

食事介助を交代すると、目の前にあるのは、ぐっちゃぐちゃの状態で、何をどうしたのか、原型をとどめていないご飯とおかずでした。なんならスプーンも汚れていて、持ち手がびちゃびちゃ。

スプーン1本で全てのおかず、トロミ茶、味噌汁を口元まで運ぶのは、スプーン的にも荷が重いと思います。

色々な味が混ざってしまい、口に入った時には何を入れられたのか、ご本人にはわからないかもしれません。

洗う手間もあるかとは思いますが、スプーンは数本用意しておいた方が良いでしょう。

出来れば食器1つにつき1本はあった方が良いと、この時に学びました。

③白い状態のごはんを保つ。

「もし混ぜるとしても、全部のおかずを直接ごはん(お粥・軟飯)に入れるのではなく、ごはんの方をちょっとずつおかずに乗せていく。白い状態のごはんを保つ」

これは賛否別れるかもわかりませんが、最初に勤めた特養で習いました。

混ぜるのは絶対にダメ!という方には、このやり方も怒られるかもしれません。

お粥・軟飯と混ぜるのは、とろみの代わりのような感じです。つるんと喉に通りやすくなるのでした。

わざわざ水やお出汁にとろみを入れて、おかずに混ぜる用に作っている所もあるでしょうし、それが出来れば素敵だし、立派だなぁと思います。おかずの味を変えずにとろんつるんと喉を通りやすく、皆に負担少なく、食事が出来ればそれが良いと思います。

④声掛けを工夫する

集中力が続かず目や口を閉じてしまう方への声掛けとして、私はよく献立や食材の話をしていました。興味を持ってもらって、口を開けたくなる声掛けをして、開けてもらえた時は嬉しいものです。

よくあるNGワードで「はい、あーーん」なんて声掛けがありますが、大の大人に向かって赤ちゃんのような声掛けをしてはいけません。

 

食事介助の作法として①~④まで紹介しましたが、私も始めからこれが出来ていたわけではないんです。

現場で先輩に注意されたり、他の人が怒られてる様子を見て知ったり、自分でも気付いたりしながら学んできました。

更に利用者さんの顎が上を向かないようクッションを工夫したり、足がしっかり地面に着くように椅子を変えたり……介護士はほんとに忙しい中に色んな事に注意しながらハイリスクな食事介助をしているの、凄いと思います。

2.食事の時の座位姿勢

食事介助の作法には、どうやって口元までご飯を運ぶかも大事ですが、その方の座っている姿勢にも気を配らないといけません。

正しい座位(座っている)姿勢とは、どんなものでしょうか。

漫画・高齢者のムセに対して出来る対処

↓こちらは2013年に、当時理学療法士の夜間学校に通っていた頃に描いたものです。授業で聞いた内容をもとに描きました。

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仙骨座りをしている状態で、顔を上に向け、飲み物を飲み込むと、健常者であってもムセてしまいます。

食道が閉じて気道が全開なので、誤嚥しやすくなるのです。

食道は気道の後ろにあります。

ベッドやリクライニング車いすで、少し背を倒した状態で食べる方が誤嚥しにくいと聞いた事があります。

後ろに倒す事で、口から運ばれた食べ物が、重力で後方の食道へ流れやすくなるからです。

引用サイト・ヘルシーネットワークナビ

「ヘルシーネットワークナビ」というサイトではこのようなイラストが載っていました↓

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引用 ヘルシーネットワークナビ 食事の姿勢

座っている場合なら「やや前かがみ」、リクライニングなら「上体をやや後方に倒す」と飲み込みやすいと解説されています。

食べる姿勢も気を付けて見ないといけませんね。

座るという行為、座る姿勢の重要性

食事介助から話が少しズレますが、「座る事」がどれだけ重要な事なのかという話をしたいと思います。

●正しい姿勢で座ると…

正しい姿勢で座るという事は、骨盤が立ち、その上に脊柱が立っているという事です。

→そうすると腕は自由に動かせるし、体をひねらせて後ろを振り向く事も出来ます。

→腕を動かせれば食事だって自分で摂る事も出来ます。

→正しい姿勢で座れていれば容易に前にかがむ事が出来ますし、排泄時に踏ん張る事も出来ます。

→座面の少し前にお尻を移動させて、足を引いたら、立ち上がる事も出来ます。

つまり、座る姿勢が安定しているという事は、次の行動(立つ、排泄する、食事を摂る…等々)がしやすくなる、つまり、自立出来る、という事なのです。

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●正しくない姿勢で座ると…

正しくない姿勢で座ると、骨盤が寝てしまい、脊柱も立ちません。

→そうすると腕を動かす可動域が狭まり、後ろを振り向くのも難しくなります。

→食事を摂るのも食べこぼしが増え、ムセやすく、介助が必要になり、呼吸もし辛くなります。

→かがむのも自力では行えず、人の手を借りなければなりません。

→立ち上がるのにも人の手が必要です。

→骨盤が寝て脊柱も寝てしまうと、体がどんどん臥位姿勢に向かい、寝ている方が座っているよりも楽になり、そのうち寝たきりになってしまいます。

つまり、座位姿勢が不安定という事は、次の動作が自分では行えなくなり、人の手を借りる事となり、やがては寝たきり生活となりやすい →つまり、介助が必要な生活となる、という事です。

 

そういえば「パッドの重ね使い」も、座位姿勢が不安定になる要因となります。

たかが座位姿勢と思われがちですが、大げさな話ではありません。

結論

食事介助は知識や技術を必要とします。口元へ運ぶ量、声掛けの仕方、座っている姿勢にも気を配らないといけません。

また全量を食べてもらう事が正解でもなく、「食べたくない」という思いに寄り添うのもその方の尊厳を守る事に繋がります。食べる量がだんだんと減り、食べられなくなり、痩せて小さくなって、枯れるように果てるのが自然の摂理だからです。

いつまでもたくさんモリモリ食べてほしいと家族が願っても、それは無理な話です。

せめて最期まで、少しでも美味しく口から食べてもらえるよう、工夫をしていきましょう。

※今回は「介助の仕方」「座り姿勢」について書きましたが、食事介助にはほかにも「食事形態」や「口腔ケア」、「最期をどう迎えたいかをご本人・家族を含めてきちんと話し合う(アドバンスケアプランニング)」事も大事です。またいつか記事を書きたいと思います。

 

今回は以上です(/・ω・)/

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