頑固な高齢者どうにかならんか
あたしの悪口かい。受けてたつよ
ちゃうねん。
車いすに新聞紙を何枚も重ねて、その上に座ってる人がおんねん。
それは滑って車いすから落ちるリスクが高いから、
敷くのは止めましょうといくら言っても聞かないねん。
介護の現場で介護者がストレスを感じる事の一つに、被介護者の
「介護拒否」や「提案の拒否」
があります。
転倒のリスクを減らすために提案しているのに…
転倒したら自分が困るのに…
そのやり方だと大変そうだから(効率が悪いから)言ってあげてるのに…
介護者としては、とてもイライラしますよね。
今回は提案を拒否する被介護者に、提案を受け入れてもらう方法について書いていきます。
私は10数年介護現場にいる中で、失敗した例はたくさんありますが、だんだんとコツをつかみ、成功例が増えてきたと思います。
1.介護の提案を受け入れてもらう方法
こちらの言っている事が正しいかそうでないかはあまり関係ないんですよね。
相手は聞く耳を持っていない場合が多いのです。
そんな人に介入するコツとしては
- 一旦、身を引く
- 人を変え、周りを巻き込む
- きっかけを逃さず、即座に介入する
の3つがあります。
1-①一旦、身を引く
私は間違った事を言ってないのに、何でわからないの?
と頭に血が昇ってキーッと怒ってしまう人は多い事でしょう。
介護者はただでさえ疲れがたまっているので、何かの拍子にプツンと切れてしまう事があります。
高齢者は一般的に、年を重ねる毎に頑固になり保守的になり、新しい事を受け入れられない傾向にあります。
ですからそのような相手にいくら正論を言っても怒っても怒鳴っても、意味がないのです。
くたびれ損ですので、やめましょう。
何を言っても無駄ですから、一旦その場を離れましょう。
こちらの提案を聞かずにもし事故が起きても、その被介護者の責任です。
1-②人を変え、周りを巻き込む
介護は一人でするものではありません。
出来る限りたくさんの人を巻き込みましょう。
自分の話に耳を傾けない人でも、主治医や兄弟の言う事なら聞く、という事もあります。
そういう人に相談し、自分の代わりに一言言ってもらいましょう。
でも、1人では、一回では、上手くいきません。
主治医、訪問看護師、隣近所の知り合い、友人、兄弟、子供達、ケアマネ、ヘルパーさん…色々な人に、事ある毎に言ってもらいましょう。
少しずつ被介護者の中に言葉や情報が蓄積されていき、何かをきっかけに介入に繋がる事もあります。
でも新聞紙爺さん、主治医に言われてもアカンかったわあー
新聞紙の代わりに、滑り止め付きの防水マットを勧めたんやけど。
頑固やなぁ。
新しい物って信用できないし、色々言われても面倒くさいんだよ。
受け入れられないの、わかるで。
あきらめずに虎視眈々(こしたんたん)と時期を狙いましょう。
1-③きっかけを逃さず、即座に介入する
…聞いて!
遂に新聞爺さん、新聞紙撤去出来たよ。
防水マットを受け入れた。
あれま。どうしたんだい
車いすから滑り落ちたの。
外傷はなかったよ。でも落ち着いてから私が言ったの、
ほら、やっぱり新聞紙だと滑るでしょ?
滑って転んでしまったでしょ?
って。
何だか可哀そうだねぇ…
でも今回は外傷が無かったけど、
打ち所が悪かったら骨折して入院だよ?
たまたま今回は運が良かったんだよ?
それに本人も納得した事だし。
でもさ…
そうやって言い負かされて、受け入れざるをえなくなって、
だんだんと弱って行ったりしないか心配だね。
介護の現場では当事者寄りになり過ぎる人と、介護者寄りになり過ぎる人といます。
どちらが正しいとかはなく、パワーバランスが大事です。
「本人が納得していない事を無理矢理するのは可哀そう!人権侵害!」
と言ってしまう人もいますが、
「じゃあ危険な座り方や環境を放っておいても良いのか」
「介護者が疲れて倒れて誰も介護が出来なくなった時に誰が責任をとるのか」
という話になります。
被介護者のこだわりを守る事も大事ですが、介護者が倒れてしまっては、その生活は破綻します。
パワーバランスは出来ればケアマネが中心となり、作っていくと良いと思います。
被介護者のプライドやこだわりを守りつつ、介護者のレスパイトを行い、皆が納得できるギリギリのラインを模索していきましょう。
まとめ
相手にとってメリットのある提案でも、なかなか受け入れてもらえない時はイライラするものです。
しかしそういう時は一旦その場を離れ、
言う時間を変えたり人を変えたり、何回も言ったりしながら、
何かきっかけがあった時にスムーズに介入できるよう、虎視眈々と準備をしましょう。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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